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ダウンロード中だけゲームがラグい|Ping上昇とBufferbloatを確認

数値例は説明用の仮の事例です

ゲーム更新を始めた途端に操作が遅れ、止めると元に戻るなら、まず大量通信と遅延の関係を確かめましょう。契約速度が速くても、通信の待ち行列が伸びたりPCの処理が重くなったりすることはあります。ここでは負荷をかける前・途中・停止後を比較し、ダウンロードの制限など費用をかけずにできる対処を選びます。

このページの内容
  1. ダウンロードを止めると直るなら何が分かるか
  2. なぜ速度が速くてもPingが上がるのか
  3. 自分で負荷前後を比較する
  4. 下りだけでなく上りも確認
  5. 無料でできる対策
  6. QoS / SQM / ルーター設定
  7. 回線変更で直るとは限らない

ダウンロードを止めると直るなら何が分かるか

通信を止めたときにゲームも戻るなら、そのダウンロードが症状に関係する手掛かりです。ただし、それだけで回線の容量不足やルーターの故障とは決まりません。更新にはネットワーク通信だけでなく、ファイルの展開、保存、検査といったPC側の処理も含まれるからです。

ゲーム内のPingとFPS(1秒間に描く画面の数)を同時に見てください。Pingが上がる一方でFPSが保たれるなら通信の待ち時間を、Pingは変わらずFPSだけ落ちるならPCの処理を先に調べます。両方変わる場合は原因を一つに絞らず、別端末でダウンロードしたときにも再現するかが次の比較になります。

例えば自分のPCで更新すると描画が止まり、別PCで同じ程度のダウンロードをすると描画は滑らかなままなら、保存先やCPUの負荷も確認する価値があります。まず『通信量が増えた』のか『このPCで更新処理が動いた』のかを分けると、不要な回線変更を避けやすくなります。

なぜ速度が速くてもPingが上がるのか

Mbpsは単位時間に運べるデータ量の目安で、Pingの往復時間とは別の指標です。大量のデータが届く速さに送り出す処理が追い付かないと、機器のキュー(送信待ちの列)へ通信がたまります。そこに小さなゲームの通信も並べば、データ量自体は少なくても順番待ちで遅くなります。

待ち行列が過度に膨らんで長い遅延を生む現象は、Bufferbloat(バッファブロート)と呼ばれます。RFC 7567は、こうした待ち行列を管理し、不要な遅延を抑える考え方を説明しています。単に大きな転送速度が出たことは、負荷中にも応答が速い証明にはなりません。

ただし、ダウンロード中のラグをすべてBufferbloatと呼ぶのは早計です。Wi-Fiの共有、ルーターの処理負荷、ゲームサーバー側の変化も重なり得ます。ここで行う比較は、負荷と応答時間の関係を確かめるもので、待ち行列のある機器を特定する検査ではありません。指標の違いは速度は速いのにラグい場合も参考になります。

自分で負荷前後を比較する

対戦中の味方へ影響しないよう、練習モードなど条件をそろえやすい場面で試してください。サーバー地域、画質設定、接続方法は途中で変えず、普段使うダウンロードを一つだけ動かします。速度テストや別の更新まで同時に始めると、どの負荷の影響か分かりません。

  1. 更新や同期を止めた状態で、外部宛ての 次のコマンド を開始し、ゲーム内Ping・FPSと普段の状態を控えます。
    コマンドプロンプト
    ping -t 1.1.1.1

  2. ダウンロードを開始し、その時刻と転送速度、Ping・FPSの変化を記録します。
  3. しばらく観察してからダウンロードを一時停止し、停止時刻も残します。
  4. 待ち時間を置いて数値と操作感が元に戻るか確認します。Ctrl+CでPingを終了し、必要なら同じ条件でもう一度比べます。

説明用の例では、負荷前の外部Pingが22ms前後、転送中だけ160ms前後、停止後は再び22ms前後で、FPSはほぼ一定だったとします。この対応が繰り返されるなら、通信負荷による遅延を優先して調べられます。160msを合否の境界にせず、開始・停止に合わせて変化することを見てください。

継続Ping全体の平均は、負荷前と負荷中が混ざります。Ping解析で整理する場合は区間ごとの測定を別に残すか、各区間の表示値と開始・終了時刻をメモします。途中で1回だけ跳ねる症状なら、Pingスパイクの発生頻度も確認しましょう。

1.1.1.1はゲームの接続先とは異なり、返信が制限される場合もあります。外部Pingだけ変わってゲームには症状がない場合も区別してください。ルーター側でも変わるのかを知りたいときは、ゲートウェイと外部の2地点測定へ進むと、調べる範囲を絞れます。

下りだけでなく上りも確認

ゲームを起動したPCが何もダウンロードしていなくても、上り通信が埋まることがあります。クラウド同期、写真のバックアップ、Discordの画面共有、OBSなどでの配信、大容量ファイルの送信は、外へデータを送り出す処理です。家族のスマートフォンや別PCの自動処理も同じ接続を使います。

上りが詰まると、ゲームの操作情報だけでなく、受信したデータに返す確認の通信なども待つ場合があります。下りの速度測定だけで『余裕がある』とは判断できません。タスクマネージャーのネットワーク欄は自分のPCの手掛かりになりますが、家全体の通信量を示すわけではありません。

ダウンロード、同期、画面共有を一度に止めず、一つずつ止めて戻り方を比べてください。例えば同期を止めたときだけ改善するなら、ダウンロード設定ではなく同期の時間や送信量の調整へ進みます。停止しても戻らないなら、偶然の同時発生だった可能性を残して、無負荷でも再現する時間帯を調べます。

無料でできる対策

最も分かりやすい対処は、ゲーム中だけ大きな転送を一時停止し、遊び終わってから再開することです。家族の通信は勝手に止めず、バックアップの時間を相談してずらします。これで安定するなら、まずその運用で困りごとが解消するか確かめる余地があります。

Steamにはダウンロード速度を制限する機能があり、公式の設定案内では、クライアントの「Steam」→「設定」→「ダウンロード」から上限を設定できます。画面の名称はバージョンで変わる場合があります。ゲーム中のダウンロード許可設定も確認し、並行する必要がなければ停止する使い方を選びましょう。

上限は契約上の最大速度をそのまま入れるのではなく、実際の転送速度から少しずつ下げ、ゲームが安定するかを試します。通信速度の表示がMB/sなどのバイト単位か、Mbpsなどのビット単位かにも注意してください。1バイトは8ビットですが、単位を換算しても常にその速度で通信できるとは限りません。

設定後は、ゲームの改善とダウンロード完了までの時間の両方を比べます。極端に低くして更新が終わらなくなったら、ゲーム中だけ制限する運用へ戻せます。更新を永続的に無効化したり、保護ソフトを止めたりする方法は、この切り分けには不要です。

QoS / SQM / ルーター設定

QoSは通信の優先度などを制御する仕組みの総称です。SQMは待ち行列の管理や速度制御を組み合わせ、負荷時の遅延を抑えるための機能として提供されることがあります。どちらも名前が表示されていれば万能というものではなく、機種の処理能力、設定値、混雑が起きている場所によって結果が変わります。

対応機能がある場合だけメーカーの説明書を読み、変更前の設定を保存して、一項目ずつ試してください。帯域設定が必要なら、契約速度と実測の違いを踏まえたメーカー手順に従います。機能を有効にすると転送速度が下がる機種もあるため、同じダウンロード条件でPing、ゲームの症状、転送時間を取り直します。

改善がなければ元へ戻し、アプリ側の速度制限との違いを記録します。設定を試すためだけに新しいファームウェアへ非公式に入れ替えたり、ルーターを買い替えたりする必要はありません。操作に不安があれば、機種名と比較結果をメーカーへ伝えて対応範囲を確認できます。

回線変更で直るとは限らない

大量通信を止めれば安定する場合、まず同時通信の調整で十分か考えます。宅内の待ち行列やPCの処理が主な要因なら、ISPを変更しても同じ機器・同じ使い方で再発する可能性があります。反対に、通信を止めた状態でも有線の複数端末で悪いなら、負荷中だけの問題とは別に調べる必要があります。

相談するときは『ダウンロードすると重い』に加えて、無負荷・転送中・停止後の数値、上りか下りか、端末数、接続方法、試した上限を伝えてください。PCの更新処理だけで起きるならPCやアプリの窓口へ、複数端末で外部の通信が悪化するならISPへ、条件に合わせて相談先を選べます。原因の名前を先に決めるより、負荷を変えたときの差を残すことが近道です。

参考にした一次資料

状況を整理したいときは症状から診断できます。測定値だけで故障や責任を確定するものではありません。