ルーターへのPingは正常なのに外部Pingが高い|宅内か回線側か切り分ける
ルーターまでは安定しているのに、その外側だけ応答が遅い。そんなときは、宅内と外部のPingを同じ時間帯に比べると、次に調べる場所を絞れます。ただし、ルーターへの返信が速いだけでISPの問題とは決まりません。Windowsでの測り方から、結果ごとの無料の確認、相談に残す情報まで順に見ていきましょう。
まず2地点を同じ条件で測る
Pingは相手へ確認用の通信を送り、返信までの往復時間を調べる方法です。デフォルトゲートウェイは、PCが別のネットワークへ出る際に使う入口で、家庭では通常ルーターに当たります。外部宛ての測定と組み合わせると、自宅の入口までの変化と、その先を含む変化を分けて観察できます。
Windowsのコマンドプロンプトを開き、次のコマンド を実行してください。使用中のEthernetまたはWi-Fi欄にある「デフォルト ゲートウェイ」を読み取ります。192.168.1.1はよくある例にすぎません。IPv4アドレスやDNSサーバーの欄ではなく、実際に表示されたゲートウェイを使います。
ipconfig- 一つ目のウィンドウで、デフォルトゲートウェイが192.168.1.1だった場合は 次のコマンド を実行します。別の値なら、自分の表示されたゲートウェイへ置き換えてください。コマンドプロンプト
ping -t 192.168.1.1 - もう一つのコマンドプロンプトで 次のコマンド を実行します。同じPC・接続のまま、二つを並行して動かします。コマンドプロンプト
ping -t 1.1.1.1 - ゲームで症状が出た時刻をメモし、両方の画面に遅れやタイムアウトが出たか見ます。終了するときは各ウィンドウで Ctrl+C を押し、送受信数と最小・最大・平均も保存します。
開始と終了の時刻、ゲームの接続先、同時に動いていた通信も控えてください。通常のPing出力には各行の時刻が付かないので、後から貼り付けるだけでは症状との厳密な時刻一致は復元できません。短い測定で再現しなければ、次に症状が出やすい時間に数分間観察する方が有用です。
1.1.1.1はゲームサーバーではなく、外部への疎通を見るための一例です。必ず返信するとは限りません。普段から応答がない場合は、ISPが確認先として案内する宛先など、Pingに応答する別の適切な外部宛先を使います。ゲートウェイ自体が返信しない機種では、その結果を宅内の良否判定には使えません。
IPv4の外部宛先を測るなら、まずIPv4のゲートウェイで条件をそろえます。VPNや複数のネットワーク接続を利用している場合は経路が変わり得るため、その有無も記録しましょう。測定中に接続方法を切り替えず、結果はPing解析へ宛先ごとに分けて貼り付けます。
結果1:ルーターと外部の両方が悪い
説明用の例として、普段はルーター宛てが1ms前後なのに、ゲームが止まると両方で返信の遅れや欠落が出るとします。この場合は、共通して通るPC、Wi-Fi、LAN配線、ルーターや宅内の通信負荷を先に確かめます。外部の数値も悪いからといって、すぐアクセス回線の問題には進みません。
Wi-Fiなら同じPCを有線で接続し、他の条件を変えずに試すと無線区間との差が分かります。有線でも再現する場合は、手元にある正常なLANケーブルへの交換、管理できるLANポートの変更、別端末との比較を一つずつ行います。設定を一度に初期化すると、何が効いたか追えなくなります。
ただし、ルーターは通信を転送しながら、自分宛てのPingへの返信を後回しにすることもあります。ゲートウェイだけ時々遅くても、外部とゲームが安定しているなら、同じ意味の障害とは扱えません。『測定値が変わった』と『実際の通信が止まった』を分けて記録するのが大切です。
結果2:ルーターは安定、外部だけ悪い
例えばルーター宛ては1ms前後のまま、外部は通常25msから、症状が出る間だけ120ms前後へ上がるとします。これは説明用の値で、120msを異常の境界にするものではありません。普段との変化が外部側にだけ現れているため、ONU(光信号を変換する機器)以降、アクセス回線、ISP(インターネット接続事業者)、外部経路を調べる優先度が相対的に上がります。
ここで見落としやすいのが、ルーター宛ての返信と、ルーターが外部へ通信を転送する処理の違いです。入口へのPingが速くても、WAN(外部側の接続)の処理や送信待ちの列が詰まっている可能性は残ります。2地点の結果だけでルーターを除外したり、ISPの混雑と確定したりはできません。
まずゲーム更新やクラウド同期を止め、家族の端末の大容量通信も確認します。低負荷にすると外部の遅れが戻るなら、契約先の変更よりも同時通信の調整を先に試す意味があります。回線速度は十分なのに待ち時間が延びる仕組みは、速度は速いのにゲームがラグい場合でも説明しています。
負荷を止めても有線の複数端末で繰り返すなら、別の外部宛先でも比べます。それでも共通して悪い場合は、機器の状態ランプと発生時刻を記録し、ISPへ調査を依頼する材料にしましょう。ONU直結や保護機能の無効化を自己判断で行う必要はありません。
結果3:一つの外部宛先だけ悪い
外部Aだけ遅く、外部Bとゲームは安定している場合、Aまでの経路、宛先の負荷、Pingへの応答制限などが候補になります。Pingが使うICMPは確認用の通信であり、相手がゲームの通信と同じ優先度で返すとは限りません。一時的に通る経路が変わることもあります。
宛先を増やす目的は、最も小さな数字を探すことではありません。距離や経路の違う相手同士の絶対値ではなく、それぞれの普段の値から同じ時間に悪化するかを比べます。遠い宛先が常に高いだけなら、近い宛先との差だけで今回の不具合は説明できません。
一つのゲームだけ悪いときは、ゲーム内Ping、サーバー地域、公式障害情報も確認してください。外部Pingが正常でもゲームまでの経路が正常とは限らず、逆も同様です。特定の中間ルーターの無応答だけから故障箇所を決めるのではなく、最終宛先と実際の症状を重視します。
夜だけ悪い場合
朝は安定し、夜だけ外部Pingが上がるなら、朝夜で同じPC・同じ有線またはWi-Fi・同じ宛先を使って比べます。朝の有線と夜のWi-Fiを並べると、時間帯と接続方法のどちらが効いたのか分かりません。夜のバックアップや家族の利用が重なることもあるため、宅内の通信量も条件に含めます。
記録には朝夜比較を使い、宛先が異なる測定は混ぜないでください。例えば数日間、遊び始める前と症状が出た時間に2地点を測れば、1日だけの偶然か、繰り返す傾向かを伝えやすくなります。これは調査の一例で、日数だけで原因が確定するわけではありません。
接続方式や建物設備まで含めた確認順は夜だけPingが高い場合にまとめています。宅内の通信を止めても同じ差が続くことを確かめてから相談すれば、単に『夜は遅い』と伝えるよりも、何を調べてほしいか明確になります。
相談前に残す情報
まず1回分の記録を、誰が見ても条件を読み取れる形にします。例えば『21時10分〜15分、有線PC、同期停止中、ゲートウェイと外部を並行測定、21時12分にゲーム停止』と書き、二つの結果を添えます。数字だけの画像よりも、その場で何が起きていたかが分かる記録です。
- 測定日時と症状の時刻、端末・OS、有線/Wi-Fi、接続中の機器を残す。
- ゲートウェイと外部それぞれの宛先、送受信数、平均・最大・損失率を、元の出力と一緒に保存する。
- 別端末での再現、同時通信の有無、ケーブル変更や再起動など試した対処と、その前後の差を書く。
有線の複数端末で外部の問題が続くならISPへ、1ゲームだけならゲーム運営へ、まず再現条件を伝えます。問い合わせ下書きに2地点の結果を補い、『この条件で調査できますか』という形にすると、責任の決めつけを避けながら相談できます。契約IDや氏名などはこのサイトへ入力せず、契約先の正式な窓口で必要な情報だけ伝えてください。
参考にした一次資料
状況を整理したいときは症状から診断できます。測定値だけで故障や責任を確定するものではありません。